旧軽井沢のクラシックホテル「万平ホテル」。
ビートルズのジョン・レノンが長期滞在した宿として有名です。
2022年7月、ちょうど梅雨が明けたばかりの時期に、わが家の家族4人(私、夫、長男3歳、次男0歳)で1泊してきました。
翌年1月から、大規模改修・改築のための長期休業(約1年半)に入ってしまうため、これが改修前最後の夏です。
駅&プリンスショッピングプラザから歩いて行ける!軽井沢プリンスホテルの宿泊記はこちらから読めます。
この記事では、実際に幼児と赤ちゃんを連れて泊まってみた感想、ベビーベッドなどの貸し出し、ホテル周辺のお散歩情報などについて、詳しくご紹介します。
※この記事は2022年夏時点の情報です。
万平ホテルはこんなホテル〜ジブリ映画にも登場?!
万平ホテルのルーツは、1764年開業の中山道の旅籠「亀屋」。
1894年に、欧米風のホテル「亀屋ホテル」に改装・改称されました。
1896年に「萬平ホテル」へ改名。
真珠湾攻撃の5年前、1936年(昭和11年)に現在の本館「アルプス館」が建てられ、
ホテル名が「万平ホテル」に改められました。
万平ホテルは、ジブリ映画「風立ちぬ」に登場する「草軽ホテル」のモデルのひとつとも言われています。
ハーフティンバーの外観や、テラスの感じが、映画の雰囲気に似ています。
1930年代の激動の時代、まだ建てられたばかりのアルプス館(によく似た建物)で、主人公の堀越二郎は、謎のドイツ人・カストルプ氏と出会います。
カルトルプ氏いわく、軽井沢はイヤナコトを忘れるのにいい場所なのだとか。
『コクサイレンメイ ヌケタ ワスレル セカイヲ テキニスル ワスレル・・・』
1976年から4年間は、毎年夏にジョン・レノンが家族で滞在しました。
ホテルのカフェテラスで、ジョン・レノンが作り方を直伝したロイヤルミルクティーがいただけるほか、
館内の至るところにジョン・レノンのエピソードが残されています。
1997年からは、森ビルトラスト株式会社(ラフォーレホテルズ&リゾーツとか、マリオットホテルとかを手がけている会社)が資本・経営参加。
現状では、アルプス館のほかにウスイ館・アタゴ館・別館・コテージを擁する、全109室です。
外から見ると、アルプス館の建物だけが目立ちますが、裏に庭園があり、お庭を囲むように宿泊棟が並んでいます。
実際に館内を歩き回ってみて「想像していたよりも大きなホテルだな」と感じました。
たくさんのお客さんがロビーを行き来しており、夏のはじまりの高揚感と、「リゾートに来たわよ〜」的な幸福感がホテル内に充満しています。
なんだか、この空間にいるだけでしあわせ。イヤナコト ワスレル〜。
何十年も前からずっと、訪れる人々をとりこにしてきた特別な場所に泊まりに来られたと思うと、とても感慨深いです。
ジョン・レノンの部屋!!クラシックタイプの客室
今回は、アルプス館2階の「クラシックツインルーム」(48㎡)に宿泊しました。
ジョン・レノンが滞在した128号室ではありませんでしたが、同じ間取りのお部屋です。
アルプス館の名前の由来は、元々はホテルの周りの木々がなく、この場所から正面に北アルプスが見えたから。
私たちの部屋は、中庭側のお部屋でした。
(ジョン・レノンの128号室は、正面玄関側の真ん中。)
木造の古い建物なので、子供の声が響かないか心配でしたが、
端っこ(階段横)の部屋ですし、真下はレストランなので、気持ち的にずいぶん楽でした。
廊下を通る人の話し声は、客室内からよく聞こえましたが、
隣室の話し声は、耳を澄ましてやっと聞こえるか聞こえないか程度。
部屋と部屋の間の防音は結構しっかりしている印象でした。
アルプス館の間取りは、部屋の中に、壁で区切られたスペースを設けた、独特のつくりです。
寝室とリビングスペースが分かれた、スイートっぽい間取りなので、
夜、子供たちが寝た後は、リビングスペースで大人だけでくつろぐことができました。
(ウスイ館にも、アルプス館のお部屋に似せた「クラシックタイプ」の客室があります。)
ジョン・レノンが万平ホテルで夏を過ごしたのは、息子のショーンが1歳前〜4歳前の頃。
同じ間取りの部屋で、ジョンも私たちと同じように、幼い息子を追っかけ回してたのかな、なんて想像してしまいました。
憧れの猫足バスタブは難易度高かった
バスルームは、洗い場無しのバストイレ同室タイプでした。
なんと、猫足バスタブ!
しかし、バスタブの使い方が難しくて、シャワーで床をしっとりさせてしまいました。
シャワーカーテンがあるので、手前側の水はねはガードできるのですが、
壁側はバスタブと壁の間に数センチのすきまがあるため、
シャワーを使う際に壁側に飛んだ水が、床に流れてしまうのです。
アメニティで、おしゃれなバスソルトが用意されていましたが、優雅に湯につかっている余裕はまったくありませんでした。
まぁ、これも社会勉強ってことで・・・
(バスルームの床は、タイル張りのウエット仕様なので、多少の水濡れは気にしなくて良いはずです)
バスルームのアメニティは、2種類のバスソルトのほかに、ポンプ容器入りのシャンプー、コンディショナー、ボディソープ、シャワーキャップや使い捨てのウォッシュタオルなど、ひととおりのアイテムが揃っていました。
化粧水・乳液・クレンジングは、マーガレット・ジョセフィンの使い切り個包装タイプ。
子供用の歯ブラシもありました。
水道水がキーンと冷たくてびっくり。地下水かな?赤ちゃんのミルクを流水で冷やすのに便利でした。
ヘアドライヤーは、パナソニックの3,000円くらいのモデル。風量は可もなく不可もなくという感じです。
(防火のため、持ち込みの家電製品の利用はNGとのこと。歴史的な建造物に泊まるので仕方ないですね)
子連れ向けのサービスについて
子供用の歯ブラシのほか、パジャマ(100サイズくらい、大人とお揃いのデザイン。上下セパレートタイプ。)がお部屋に用意されていました。
このパジャマ、肌触りが非常になめらかで最高でした。
ベビーベッドは有料・要予約。料金は1,200円 or 1,700円で、日付によって変動します。
追加ベッド(エキストラベッド)の価格も、日付によって変動。4,100円 or 5,100円です。
私たちが泊まったお部屋は、ベッドが2台のツインルームでした。
ベッド幅120cmのセミダブルサイズだったので、ゆったり眠ることが出来ました。
子供と添い寝する場合、ベッド2台を真ん中でくっつけるハリウドッドツインにはできませんでしたが、
2台のうち1台を壁側にくっつけるよう手配してもらうことは可能でした。
ベッドガードの貸し出しもあります。
マニフレックス製の高級マットレスの寝心地は?!
アルプス館のベッドマットレスは、イタリアの寝具ブランド、マニフレックス製。
万平ホテルのために作られた、特製モデルです。
実際にマニフレックスの通販サイトで「モデル万平」として販売されており、お値段はシングルで24万2千円。
わが家では自宅でマニフレックスの安いモデル(シングル約5万円)を愛用しているので、
今回この高級マットレスで眠るのを、ものすごーく楽しみにしていました。
シーツをめくって中身を確認してみましたが、うちの安いマットレスと比べて、10cm以上肉厚です。
寝心地は、すっごく気持ち良いというよりは、
「全く違和感がない!!」というイメージです。
寝転んで、気になる点がいっさい無い。これってある意味すごいかも。
枕は、普通のまくらと、マニフレックスの「ピロー グランデ」の2種類が用意されていました。
このピロー グランデはわが家でも活躍中。
雪見だいふくに埋もれているような弾力が気持ち良いですし、通常の枕よりひと回り大きめで、ゆったり使えます。
マニフレックスのマットレスは、万平ホテルのアルプス館のほか、3棟のコテージと、エキストラベッドに導入されています。
エキストラベッド用のマットレスは、折りたたみ式タイプ。こっちも試してみたかったな〜。
大人気!カフェテラスのアップルパイとミルクティー
チェックイン後に、アルプス館1階のカフェテラスでお茶をしました。
ここの人気メニューは、アップルパイと、ジョン・レノンが作り方を直伝したロイヤルミルクティー。
アップルパイは、中にりんごがぎっしり。スパイスは控えめでした。
ロイヤルミルクティーは、ホイップクリームがたっぷり載った、コクまろ系。
このほかに信州産の小麦粉・卵を使った「万平シフォン(季節のシフォンケーキ)」をオーダーしました。
しっとりふかふかのシフォンケーキに、ババロアとフルーツゼリーが添えられており、いろんな味が楽しめてお得感がありました。
私たちが利用したのは土曜日の16時ごろで、すでにほとんどのケーキが売り切れ状態。
アップルパイも、残りわずかでした。
ホテルにチェックインする際に、お部屋へ案内してくださったスタッフさんにカフェテラスの混雑状況を尋ねたところ
席が空いたらお部屋に電話連絡が入るよう、手配してもらえました。
わが家が小さな子供連れであることも、カフェテラスのスタッフさんへしっかり伝達されており、
奥の広いソファ席を準備してくださっていました。
テーブルに次男(0歳)を乗せたベビーカーを横付けすることが出来て、とても助かりました!
外のウッドデッキの席が人気ですが、大きな窓が開け放たれていたので、店内席でも軽井沢の森の中にいる雰囲気を十分に味わえました。
カフェテラスは宿泊客以外も利用可能ですが、
ホテル敷地内の駐車場は、宿泊客専用にクローズしてしまうので、外来の場合は近隣の駐車場・またはバスやタクシーが良さそうです。
徒歩の場合、旧軽ロータリーからテニスコート通りを経て、約1kmの道のりです。
メインダイニングでの朝食
朝食は、アルプス館1階のメインダイニングルームで提供されます。
今回は、朝食付きプランでの宿泊で、アメリカンブレックファスト(4,250円)をいただきました。
卵料理は、オムレツや目玉焼き以外に、ゆで卵(ボイルドエッグ)も選べました。
付け合わせのハムも美味。
パンとコーヒー(紅茶)はおかわりOK。コーヒーのおかわりを何度も聞きに来てくれて最高でした。
子供用の朝食メニューはありませんが、アラカルトで「フルーツ入りヨーグルト」(1,150円)や、「パンケーキとフルーツカクテル」(1,250円)などをオーダーできます。
子供用のスプーン・フォークがあるほか、ハイチェア(ベルト無し)も用意してもらえました。
ベビーカーのテーブル横付けも可能です。
朝食会場では、わが家のほかにも小さな子供連れのお客さんを2〜3組見かけました。
わが家はこれまで、クラシックホテルをあちこち泊まり歩いてきましたが、その中でも万平ホテルはファミリー層が多めな印象でした。
ディナータイムも子連れ利用OKなので、次回泊まる時はディナーもメインダイニングで食べてみたいです。
ホテル周辺での買い物や食事について
万平ホテルは、旧軽井沢銀座通りから少し奥まった場所にあります。
旧軽井沢銀座通りの起点「旧軽ロータリー」から旧軽井沢銀座通りを経て、テニスコート脇の道を抜け、およそ1kmほどの道のりです。
旧軽井沢銀座通りをはじめ、ホテル周辺のお店は、レストランと土産店が中心。
コンビニやベビー用品を買えるお店はありません。
ホテルの売店でもベビー用品の取り扱いはありません。オムツやミルク、離乳食など、多めに持っておくと安心です。
今回は、到着日の夕食と翌日の昼食で、旧軽井沢銀座通りのレストランを利用しました。
まだ梅雨が明けたばかりだったこともあってか、ディナーの時間帯に営業しているお店が少なく、夜はとても静かでした。
夕食は旧軽ロータリーの「つるとんたん UDON NOODLE Brasserie KARUIZAWA JAPAN」でいただきました(ネット予約→食べログ)。
つるとんたん初のリゾート型店舗だそうです。
お昼どきに店の前を通りかかった際は、にぎやかで活気のある雰囲気でしたが、
私たちが利用したディナータイムは、放置されている時間が長過ぎて、人手不足感が否めなかったです。
(一応、予約して行ったんだけどなぁ・・・)
子供用のイスが借りられたり、店内(1階)でベビーカーが利用できた点はとても良かったです。
翌日のランチは、商業施設「チャーチストリート軽井沢」内にあるイタリアン「トラットリア・モンテ・クッチーナ」でいただきました(ネット予約→食べログ、一休、retty)。
明るく、かなり広々とした店舗なので、子連れでも入りやすい雰囲気。
子供用のハイチェアや取り皿、スプーン・フォークあり。店内でのベビーカーの利用も可能。
野沢菜のピザが美味しかったです。
こちらのお店も人手不足だそうで、混雑時はテーブルへの案内を制限しながらの営業になるとのことでした。
軽井沢は、季節ごとの観光客数の増減が激しいことに加え、コロナ禍の影響もあり、労働力の確保がけっこう大変なのだそうです。
朝食後に行きたいお散歩コース「幸福の谷」
ホテルの裏手には、昔ながらの別荘地「幸福の谷(ハッピーバレー)」があります。
苔むした石垣が続く、静かで美しい場所です。
オノ・ヨーコのご実家(安田財閥)の別荘がここにあったご縁で、ジョン・レノン ファミリーが万平ホテルに長期滞在するようになったのだとか。
川端康成の別荘があったのもこのエリア。
朝早くから幸福の谷を優雅にお散歩できるのは、万平ホテルに泊まったからこそ叶う貴重な体験です。
長男(3歳)は、苔の中にきのこを見つけて喜んでいました。
これだけ苔がモサモサ、キノコがにょきにょき生える環境だと、別荘の管理がものすごく大変そうだなー。
木々の緑に囲まれて、キレイな空気を吸って、リフレッシュすることが出来ました。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
このブログでは、万平ホテルのほかにも、歴史ある建物を堪能できるクラシックホテルの子連れ宿泊記を紹介しています。
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