鎌倉駅周辺には、小さなミュージアムがたくさん!
鎌倉観光といえばまず、神社やお寺が思い浮かびますが、実は鎌倉駅や鶴岡八幡宮の周りにはサクッと見学できる、魅力的な美術館・博物館も点在しています。
鎌倉ならではの歴史や文化を学べるのはもちろん、乳幼児連れのお出かけの際は、これらのミュージアムを旅程に組み込むことで、トイレを利用したり、ベンチに座ったり、屋内で暖をとったり涼んだりといった、程良い休憩タイムにもなります。
この記事では、鎌倉駅や鶴岡八幡宮から徒歩圏内にあるミュージアムを5軒紹介します。
私が実際に1歳の息子を連れて訪問した際に気付いた、館内でのベビーカー利用や、オムツ交換のことなど、小さなお子さんを連れての利用に役立つ情報を掲載しています。
●この記事の情報は2020年9月時点のものです。
【この記事で紹介しているミュージアム】
・鏑木清方記念美術館(鶴岡八幡宮から350m、鎌倉駅から550m)
・川喜田映画記念館(鶴岡八幡宮から300m、鎌倉駅から700m)
・鎌倉国宝館(鶴岡八幡宮内)
・鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム(鶴岡八幡宮内)
・鎌倉彫資料館(鶴岡八幡宮から450m、鎌倉駅から500m)
鏑木清方記念美術館〜近代日本画の巨匠の旧宅跡地
鏑木清方(かぶらき きよかた)は明治・大正・昭和を生き抜いた、近代日本画の巨匠。その旧宅跡の美術館が「鏑木清方記念美術館」です。
おみやげ屋さんや飲食店で賑わう小町通りからほど近い、雪ノ下の閑静な住宅街の中にたたずんでいます。
この美術館の入り口は、和の趣を感じさせるアプローチがとても素敵で、さながら隠れ家料亭のよう。館内は一部を除き写真撮影禁止ですが、玄関のアプローチは撮影可能なので、鎌倉らしい写真を撮るのにぴったりの場所です。
館内はベビーカーで見学可能です。多目的トイレにはオムツ交換台も設置されています。
ソファや椅子など、座って休めるスペースが多いので、散策の途中にひと息入れるのにぴったりの場所です。おすすめは、清方作の掛け軸が飾られたロビーにあるソファです。まるでお座敷で掛け軸を眺めるような目線で、清方の作品を楽しめます。
清方が、庭に好みの草花を植え、四季の移ろいを楽しんでいたことにちなみ、美術館の庭には四季折々の花々が植えられています。庭には出られませんが、ガラス越しに美しい日本庭園を楽しめます。
観覧料は、企画展が大人200円、小・中学生100円、特別展が大人300円、小・中学生150円です。
川喜田映画記念館〜日本映画を世界に紹介したプロデューサー夫妻の旧宅跡地
川喜田長政(かわきた ながまさ)・かしこ夫妻は、戦前から活躍した映画製作者・映画輸入業者です。
チャップリン主演映画など、海外の名作を多数日本へ紹介。また、黒沢明監督の「羅生門」のヴェネチア国際映画祭への出品に協力するなど、国際映画人として活躍しました。
川喜田夫妻の旧宅跡地に建てられたミュージアムが「川喜田映画記念館」です。場所は、小町通りから110メートルほど西に行ったところ。鶴岡八幡宮からも近いです。
映画に関する企画展示のほか、チャップリンやアラン・ドロンなど海外の有名俳優と川喜田夫妻との記念写真も展示されています。映画の上映会も行われており、映画ファンで賑わいます。
入場料は、展覧会により異なります。私が訪問した際は、大人400円、小・中学生200円でした。上映会の鑑賞は、別途費用がかかります。
この記念館は、黒い板壁の塀に囲まれており、とっても鎌倉らしい雰囲気。和装の写真撮影スポットとしても人気です。
館内はベビーカーで入場可能。多目的トイレにはオムツ交換台が設置されています。
広い日本庭園があります。庭園内には入れませんが、庭園沿いの小道は入場無料で誰でも入ることができます。ベンチも置かれており、ちょっとした公園のようになっています。
いつもきれいに清掃されていて、ゴミもほとんど落ちていません。何でも口に入れてしまう、よちよち歩きの小さなお子さんのお散歩の練習場所としてもぴったりです。
鎌倉国宝館〜鶴岡八幡宮の境内で、エキゾチックな仏像を鑑賞
「鎌倉国宝館」は、鶴岡八幡宮の境内にあるミュージアム。鶴岡八幡宮の中にありますが、鎌倉市が所有・運営する施設です。
関東大震災をきっかけに、鎌倉の由緒ある文化財を災害から守りつつ、鎌倉を訪れる人々が見学・拝観しやすいようにと建てられました。個人的にめっちゃ好きなミュージアムで、展示替えのたびに見に行っています。
鎌倉市所有の文化財のほか、鎌倉市とその周辺の寺社から寄託された様々な文化財を所蔵しています。
鎌倉の仏像は、中国からもたらされたものや中国の影響が強いものも多く、奈良や京都のような「日本的な仏像」とはひと味違う、エキゾチックな仏像を見ることができます。
ガイドブックなどでよく見かける、鶴岡八幡宮の有名な弁才天坐像もこちらにあります。
鎌倉国宝館の本館の建物は、国の登録有形文化財です。入口のステンドグラスなど、興味深い建築物である一方、古い建物のためエレベーターがなく、入場するには階段を登る必要があります。
私が子連れで訪問した時は、スタッフの方がベビーカーの上げ下ろしを手伝ってくれました。階段下のチャイムを押して連絡すれば、エレベーターがある場所へ案内していただくことも可能だそうです。展示室内はベビーカーで見学可能です。
国宝館の中は照明が暗く、また、閻魔様的な仏像など、子供が見るとちょっと怖いかな?と思われる仏像もあります。とは言え、怖いもの見たさといいますか、仏像ファンでなくとも楽しめる興味深い展示内容です。
入場料は展覧会により異なります。私が訪問した際は、大人400円、小・中学生200円でした。
八幡宮の境内にはオムツ交換台が設置されたトイレが複数あります。また、柳原休憩所の中には簡易的な授乳スペースもあります。
鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム〜モダニズム名建築の中で鎌倉の文化に親しむ
「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」は、鶴岡八幡宮の境内にあります。三ノ鳥居を入ってすぐ、平家池のほとりにたたずむ美しい建物です。
元は神奈川県立近代美術館鎌倉館として使用されていた建物で、耐震・改修工事を経て、2019年に鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムとして再オープンしました。
このミュージアムの魅力は何と言ってもこの建物!特に、平家池をのぞむピロティが素敵です。水面の揺らめきが天井に映り、外の世界の喧騒を忘れてしまいます。いつまでもここに座っていたい気分になる場所です。7月頃には池のハスの花が見頃を迎えます。
展示内容は、鶴岡八幡宮の歴史を軸に、鎌倉の魅力を紹介する季節展示や特別展など。展示替え期間中など、1か月以上休館することがあるので、事前に確認してから訪問したほうが良いです。
料金は展覧会により異なります。私が訪問した時は、大人600円、小・中学生300円でした。
館内はベビーカーで入場可能。展示室は2階にあり、エレベーターが利用できます。建物内に多目的トイレがありますが、オムツ交換台はありません。八幡宮の境内にはオムツ交換台があるトイレが複数あります。また、柳原休憩所内には簡易的な授乳スペースがあります。
ミュージアムの隣には、2つのミュージアムカフェがあります。どちらもベビーカーで入店可能、トイレにオムツ交換台があります。これらのカフェについては別の記事「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムカフェ」と「茶寮 風の杜」を子連れで利用してみた〜鎌倉・鶴岡八幡宮内のカフェ で詳しく紹介しています。
鎌倉彫資料館〜鎌倉彫の歴史や製作工程が学べる
鎌倉彫は、鎌倉市特産の彫刻漆器。鎌倉時代に中国から輸入された仏具がルーツと考えられています。
芸術品から普段使いまで、多くの人に親しまれている鎌倉彫の、室町時代から現代にかけての貴重な作品を見学したり、製造工程を学んだりできる資料館が「鎌倉彫資料館」です。
場所は、若宮大路(段葛)沿い、朱色の二ノ鳥居のそばの「鎌倉彫会館」の3階です。
建物への出入りの際、入口に6〜7段の階段があります。私が訪問したときは、帰りはスタッフの方がベビーカーを下ろすのを手伝ってくれました。館内にはエレベーターがあり、3階の展示室もベビーカーで入場可能です。
館内にトイレはありますが、ベビーカーで入れる広い個室はありません。また、オムツ交換台もありません。この付近ですと、若宮大路を渡った反対側にある鳩サブレーの「豊島屋本店」のトイレにオムツ交換台があります。広い店舗なので、お土産の鳩サブレー購入ついでに気軽に立ち寄れます。
資料館の入場料は、大人300円、小・中学生150円(特別展は料金が異なる)です。1階のカフェのレシートを提示すると、資料館の入場料が50円引きになります。
1階の鎌倉彫カフェ「倶利(ぐり)」は、ランチのほか、喫茶(カフェ)利用も可能。お食事やコーヒーなどを、鎌倉彫の器でいただけます。器は隣のショップで実際に購入可能で、コーヒーカップ1個で約3万円。びっくりするくらい高価な器が使われています。
少し大人っぽい雰囲気のお店のため、一見、子連れでは入りにくい感じもしますが、スタッフの方々はとてもフレンドリーで、子連れでも利用しやすいです。(ソファ席、子供用の椅子はありません)
おわりに
いかがでしたでしょうか。子連れでの鎌倉観光の合間や、ちょっとひと息入れたいときなどに、ぜひ立ち寄ってみてください。
このブログでは、鎌倉や江ノ島周辺の子連れでのお出かけ情報を多数紹介しています。あわせてごらんください。
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