鎌倉の観光スポット

北鎌倉・子連れで行く明月院と葉祥明美術館〜紅葉やアジサイの人気スポット

はじめに:本物のウサギに会える花のお寺と、絵本いっぱいのカワイイ美術館

「明月院ブルー」と呼ばれる青いあじさいが人気のお寺「明月院(めいげついん)」と、そのすぐそばにある、地平線の画家・葉祥明の「北鎌倉 葉祥明美術館(ようしょうめいびじゅつかん)」

北鎌倉駅の周辺は、鎌倉駅と比べると静かで落ち着いたシブいエリアですが、この2カ所は小さなお子さんを連れて鎌倉へお出かけする方々に、是非オススメしたい観光スポットです。

明月院では、四季の花や紅葉が楽しめる広大な庭園に加え、かわいいウサギにも会えちゃいます。

葉祥明美術館では、ほんわか系の風景画に癒されつつ、美しい絵本の数々を、実際に手に取って楽しむことができます。

明月院は、JR北鎌倉駅から約700メートル。少しだけ上り坂ですが、鎌倉の自然を感じながら、気持ち良くお散歩出来るコースです。葉祥明美術館は、明月院のすぐそばにあるため、半日もあれば2ヶ所まとめて見学することが出来ます。

今回、北鎌倉の紅葉本番にはちょっと早い時期でしたが、息子(1歳)を連れて、明月院と葉祥明美術館を訪ねて来ました。この記事では、実際に子連れでお出かけしてみて気付いた、ベビーカーでの拝観や、オムツ交換などトイレ事情について解説しています。

明月院から近い、お茶やコーヒーが楽しめるお店も紹介していますので、子連れ・赤ちゃん連れでの散策にお役立てください。

●この記事は2020年10月時点での情報です。

●明月院と並び有名な鎌倉のあじさい寺「長谷寺」(江ノ電長谷駅から徒歩5分)については、鎌倉・長谷寺に子連れで行ってみた〜あじさい以外もオススメな花のお寺にて詳しく紹介しています。

子連れ観光で気になるポイント〜境内でのベビーカーの利用やトイレなど

明月院が最もにぎわうのは、あじさいの時期ですが、境内にはたくさんの種類の花々やモミジが植えられ、一年をとおして美しい庭園が楽しめる「花のお寺」です。明月院通りの桜並木も人気です。(桜の開花時期は鎌倉の他エリアよりかなり早め。)

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明月院通りの桜並木

拝観用の出入口を入ってすぐのところに、ベビーカーで入れる広い個室のトイレがあり、オムツ交換台もあります。オムツ用のゴミ箱はありません。

境内の通路は、ほとんどが舗装されていて、ベビーカーのままで境内に入ることが可能です。ただし、階段や細い通路・橋などもあるため、ベビーカーを置いての見学がおすすめです。拝観口を入ってすぐのところに、ベビーカー置き場があります。

拝観料は、大人500円、小・中学生300円。本堂の裏手にある「本堂後庭園」は、基本的には花菖蒲の開花期(6月上旬)と紅葉期(12月上旬)限定の公開で、入園は追加で500円必要です。その他の時期に公開されている場合は、追加300円(ユニセフへの寄付)です。

拝観の所要時間は40〜50分程度、本堂後庭園も見学する場合は、プラス20分程度かかります。

※あじさいの時期は、土日はもちろんのこと、平日午前中から混雑するのでご注意を。

【追記:2021年あじさいシーズンについて】6月は平日のみの開門です。午前中に訪問したところ、コロナ禍以前ほどではありませんが混雑していました。午前11時半の時点で、拝観口に約20mの行列が。

写真撮影目的と思われるコスプレやウエディングドレスの人もちらほらいて、カオスでした(苦笑)境内は、身動きできないほどではありませんが、どこを見てみても人人人・・・という状況。ベビーカー置き場も満車でした。

本堂後庭園は別料金(500円)がかかるためか、比較的空いていました。あじさいは例年7月初め頃まで楽しめますが、今年は開花・色付きが1週間ほど早いため、6月中の訪問が良さそうです。

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2021年6月の様子。例年ほどではないものの、境内は混雑している。

明月院の見どころ

明月院は、鎌倉幕府の5代執権北条時頼ゆかりのお寺。境内には「時頼公の墓」があります。(個人的には北条家の歴代執権の中で、時頼公が一番好き!)

2001年のNHK大河ドラマ『北条時宗』では、渡辺謙さんが時頼公を演じていました。2021年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時のひ孫に当たる人物です。

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北条時頼公の墓。

ガイドブックでよく見かける、左右を水色のあじさいに囲まれた「鎌倉石の参道」は、あじさいシーズンはお客さんが多過ぎて、写真を撮るのはほぼ不可能。写真よりも自分の目で見て楽しむことを目的に行くのが良いです。

明月院にあじさいが植えられたのは意外と最近で、昭和40年代以降。時頼公らの時代は、あじさい寺では無かったんですね。

同じくガイドブックでよく見る有名な「円窓」(えんそう)は、本堂にあります。丸い窓の向こう側には、後庭園が見えます。

現在、新型コロナ対策で室内には入れず、円窓は本堂の外(もしくは後庭園側)からの見学です。とはいえ、この日、円窓のあるお座敷にはススキやリンドウなど秋の草花が生けてあり、とても素敵な眺めでした。

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本堂の円窓。新型コロナ対策で、本堂の中には入ることができない。

本堂の裏手の「後庭園」(うしろていえん)は、境内の半分近い面積を占める広い庭園です。通常は花しょうぶと紅葉の季節限定公開ですが、最近はそれ以外の時期でも入場可能になっています。

後庭園は、広い庭をゆっくりと散歩出来る、とても心地の良い場所です。追加料金が必要なので、他のエリアよりも人が少なく、かなり開放感があります。かわいらしい「赤地蔵」と「青地蔵」、さらに枯山水の砂盛(プリンみたいな形の砂山)などもあります。

明月院の拝観時間は通常9:00〜16:00(6月は8:30〜17:00)ですが、後庭園に入園できる時間はそれよりも短い(私が訪問した時は10:00〜15:30)ので要注意。

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後庭園の花菖蒲(6月中旬撮影)

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後庭園側から見た本堂の円窓(11月中旬撮影)

ウサギさんたちは、本堂の前にある中門(山門)のそばの「宇宙ステーション・ウサギ共和国」にいます。彼らは、朝9時ごろにステーションへやって来て運動し、15時頃には「秘密基地」へ帰っていくそうです。

私がステーションを訪問したときは、毛並みのキレイなイケメン君が3羽いました。住み心地が良さそうな清潔な環境で飼われています。小屋の中に入ったり、ウサギに触ったりすることは出来ませんが、網越しにウサギたちを観察できます。

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ウサギたちに会える「宇宙ステーション・ウサギ共和国」。

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ウサギたちは昼間、宇宙ステーションで過ごし、夕方になると基地へ帰る。

うちの息子(1歳)は、最近動物に興味が出てきたようで、ウサギを見て「ふえぇええ!」と歓声をあげて喜んでいました。ステーションには、座ってひと休みできるスペースや、ウサギ型の顔出しパネルもあります。

このほかにも、ふところに本物の花を抱いている、いやし系の「花想い地蔵」や、鎌倉市内で最も大きなやぐら(岩を掘ったお墓)、鎌倉十井のひとつ「瓶ノ井」など、様々な見どころがあります。境内の随所に可愛らしく生けられた、季節の花々にも注目です。

明月院の中でお茶が楽しめる「月笑軒」

拝観口の近くに、古民家風の喫茶スペース「茶所 月笑軒」(げっしょうけん)があります。メニューは、抹茶と和菓子のセット(700円)、コーヒーとクッキー(600円)など。売店も併設しています。

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茶所 月笑軒

イスとテーブルの席のほか、お庭にはお抹茶が似合う、野点傘と縁台の席もあります。なぜか岡本太郎の「坐ることを拒否する椅子」も並べられていました。うちの息子はこのTAROチェアたちがとても気に入ったようで、ベシベシと叩き続けていました。

今回は、抹茶と和菓子のセットを注文。和菓子は島根県の「出雲三昧」というお菓子でした。お抹茶に合う上品でおいしいお菓子でしたが、鎌倉らしい甘味が食べたい方には不向きですね。

「葉祥明美術館」〜大人も大満足!絵本の美術館

北鎌倉 葉祥明美術館は、明月院から250メートルほど歩いた場所にある洋館。入館料は大人600円、小・中学生300円公式サイトに割引クーポンがあります。ミュージアムショップは入館無料です。

建物の前は、ヨーロッパ風の小さな庭園になっており、梅雨には白いあじさい、秋にはシュッと背が高い、アメリカ楓の紅葉が楽しめます。

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葉祥明美術館外観。背の高いアメリカ楓の木が目印。(11月中旬撮影)

葉祥明氏は熊本出身の画家・絵本作家・詩人。やなせたかし氏に「空気を描く」と言われた画風で、地平線やそこにポツンとたたずむ家、木、人、動物たちを描いた風景画の数々が有名です。ミュージアムでは、水彩画、油彩画、デッサン、直筆の言葉、絵本を見ることができます。

館内にはベビーカーや大きな荷物は持ち込み不可。受付で預かってもらえます。今回訪問した際は、ベビーカーは畳まずに開いたままの状態で預かっていただけました。

玄関に3段ほどの階段があるほか、館内を2階へ上がる際に階段を利用するので、小さなお子さんを連れて行く際は抱っこ紐があったほうが便利です。

館内1階(有料エリア)にトイレがあります。2つある個室のうち1つは少し広めで、イスもあります。オムツ替えシートは常備されていませんが、必要な場合は受付まで声を掛けてくださいとのことでした。

ちなみに、トイレの個室の中までヨーロピアンアンティークな雰囲気。とってもお洒落で一見の価値ありです。

ミュージアムの建物は、葉祥明自身による設計案をもとに作られた、イギリス風の洋館。「両親と、10歳のリラちゃん・5歳のクロードくんがかつて住んでいたおうち」というコンセプトで、美術館自体が1冊の絵本のストーリーのように構成されています。

2階建の館内には、リビングルームや子供部屋があり、来館者が座ってくつろげるソファや椅子も数多く配置されています。まるで友人の家に遊びに来たような感覚で、見学を楽しむことができます。

館内は写真撮影禁止。この記事の中でお見せできないのが残念ですが、子供部屋には天蓋や木馬、海外のオモチャなどが飾られており、まるで「世界名作劇場」の世界に迷い込んだかのような、かわいらしい空間です。

絵を見るだけではなく、本棚に並ぶたくさんの絵本を、実際に手にとって楽しむことができます。葉祥明氏が手掛けた本だけでなく、海外のおしゃれな絵本もあります。

※新型コロナ対策で、一度手に取った絵本は、スタッフさんが消毒してから本棚に戻されています。

ミュージアムショップでは、複製画や絵本、カレンダーや便せんなどのオリジナルグッズが販売されています。かなり充実した品揃えで、あれこれお土産に買いたくなってしまいます。時間が無い時は、ぜひミュージアムショップだけでも立ち寄ってみてください。

明月院の目の前「茶寮 風花」ホッカホカのうさぎまんじゅうが名物

明月院の目の前にある甘味処「茶寮 風花」。明月院とセットで訪れる人の多い人気店。ダンディーで親切なマスターが切り盛りされています。

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店内の様子。外にテラス席もある。

お店の入口に3〜4段のなだらかな階段があります。入口付近に植え込みがあり、ちょっと通路が狭くなっているので、大きめのベビーカーは、畳まないと出入りしづらいかも。

店内は15席程度で、こじんまりとしています。私が訪問した時は空いており、ベビーカーをテーブルに横づけさせていただけました。テラス席もあります。

名物は「うさぎまんじゅう」。その名のとおり、白いからだに赤い目が愛らしい、うさぎを模したお饅頭。ひとつずつ、小さなせいろで蒸して提供されます。

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うさぎまんじゅうと抹茶のセット(税込800円)

ふわふわムチムチの皮の中には、甘さ控えめの栗のこしあん。優しい食感とお味で、絶大な癒やし効果が得られます。北鎌倉に来たなら是非食べていただきたい逸品です。

今回オーダーしたのは「うさぎまんじゅうと抹茶のセット」(税込800円)。きな粉をまぶした小さなお団子が付いているのも嬉しいです。注文から提供までは5分もかかりませんでした。飲み物は、抹茶のほかにコーヒー、煎茶、こんぶ茶などもあります。

明月院から近いフレンチレストラン「北鎌倉 紫」喫茶利用もOK

明月院から170メートル、葉祥明美術館から90メートルの場所にあるフレンチレストラン「北鎌倉 紫-Yukari」は、鎌倉の人気店ミッシェル・ナカジマの系列店で、和洋折衷の佇まいが素敵です。

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北鎌倉 紫-ゆかり。入口には風情のある石段が。

レストランですが、喫茶(カフェ)利用も可能です。メニューは紫プリン450円、紫チーズケーキ600円、コーヒー/紅茶/ハーブティー600円(全て税別)。

今回は、プリンとコーヒーをオーダーしてみました。プリンは平飼い有精卵の「さがみっこ」を使用。とってもなめらかで、クリーム感の強めのリッチなお味です。苦めのカラメルソースとよく合います。

朝10時半からの営業ですが、平日のオープン直後に来店する客はめったにないのか、玄関を入ると、店内は無人でした。

「すみませーん」と数回呼び掛け、諦めかけたところで、やっとウエイターさんが来てくれました。(あとで気づいたのですが、レジのところに呼び出し用のベルがありました!)

お店の玄関先に階段があるほか、店内にも少し段差があります。ベビーカーは、お庭が見えるカウンター席に横付けすることができました。息子(1歳)は、少々大きな声で騒いでしまったのですが、帰りにお店の方が「また来てね〜」と声を掛けてくれました。ありがたや。

公式ホームページによると「お子様連れの方も対応いたします」とのことです。ランチの予算は3,000〜4,000円。子連れでちょっと上等な鎌倉ランチを、なんてときにも良さそうです。

北鎌倉エリアの交通アクセスについて

(電車の場合)明月院と北鎌倉葉祥明美術館の最寄駅は、JR横須賀線北鎌倉駅。北鎌倉駅は、上り線側(東京方面行き)に多目的トイレがあり、オムツ交換台も設置されています。

(車の場合)明月院には駐車場はありません。葉祥明美術館は、道路を挟んだ向かい側に、駐車場(1台分)があります。また、北鎌倉駅周辺には民営の駐車場があります。料金は、北鎌倉駅のすぐ隣の「タイムズ円覚寺」の場合、30分330円です。

ガイドブックなどでは、鎌倉駅と北鎌倉駅のあいだを建長寺や鶴岡八幡宮に立ち寄りながら、徒歩で移動するお散歩コースがしばしば紹介されています。約2.5キロの道のりで、ウォーキングにちょうど良い距離ではあるものの、下記の理由から、小さなお子さん連れの方にはあまりオススメできません。

北鎌倉駅から建長寺方面へ至る道は、道路の両脇に歩道があるものの、肩を寄せ合わないと2人並んで歩けないくらいの狭さです。反対側から人や自転車が来ると、行き違いのためにどちらかが車道に降りることも。車の交通量も多いので、ベビーカーを押したり、小さな子供を連れていたりすると、かなり歩きづらいのです。

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北鎌倉駅から建長寺方面へ向かう道。歩道が狭く、交通量が多い。

明月院や葉祥明美術館を訪問したのち、鶴岡八幡宮に立ち寄るのであれば、いったん北鎌倉駅まで戻って、電車で鎌倉駅へ移動するのが良いかと思います。

建長寺に立ち寄る場合は路線バス(江ノ電バス)がおすすめ。本数は20〜30分に1本程度です。バスは道路渋滞で遅れがちなので、江ノ電バスナビのバス接近情報をチェックしておくと良いです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。北鎌倉は、鎌倉駅周辺と比較して、静かで落ち着いた大人向けの観光地というイメージですが、明月院と葉祥明美術館は、子連れでも楽しめる上に、駅近で利用しやすい場所にあるため、ファミリーでの鎌倉旅行におすすめです。

このブログでは、鎌倉や江ノ島周辺の、子連れでのお出かけに関する記事を多数掲載しています。あわせてごらんください。

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長谷寺 あじさい寺として有名。江ノ電の長谷駅から徒歩5分、大仏とセットで観光できる便利な立地。

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長谷寺では海と紫陽花がセットで楽しめる。

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