横浜の飲食店

横浜のレトロなカフェに子連れで行ってみた〜文明堂ル・カフェ、CAFE de la PRESS、馬車道十番館

横浜ならではのレトロモダンなカフェめぐりを楽しもう!

みなとみらい線の馬車道駅と日本大通り駅の周辺には、レトロ感たっぷりの美しい建物がたくさん残されています。港町「ヨコハマ」で、レトロなカフェめぐりを楽しんでみてはいかがでしょうか。

この記事では、筆者が実際に息子(1歳)を連れて訪れた、横浜のレトロなカフェや喫茶店を紹介します。

店内の雰囲気や、ベビーカーでの入店のことなど、子連れ・赤ちゃん連れで利用する際に気になる情報をまとめています。

●この記事は2020年8月時点での情報です。

「文明堂茶館ル・カフェ」〜カステラでおなじみ、横濱文明堂の喫茶室

JR・横浜市営地下鉄関内駅から約200メートル、みなとみらい線馬車道駅から約600メートル。予算1,000円程度。

ちょっとゴチャゴチャした、親しみのある商店街「イセザキ・モール」。なんとなーく、ニューヨークのアポロシアターがある辺りの雰囲気に似ています。フォークデュオ「ゆず」の誕生の地としても有名です。

そのイセザキ・モールにあり、昭和の忘れ形見のような雰囲気が漂う、カステラの横濱文明堂伊勢佐木町一丁目店。売り場の奥にある、隠れ家的な喫茶コーナーが「文明堂茶館ル・カフェ」です。

<img src=“yokohama cafe retoro.jpg" alt=“横浜 レトロカフェ"/>

イセザキ・モール

店内は、明治時代の鹿鳴館をイメージした内装。昭和58年(1983年)オープンということで、文明開化と昭和がミックスした、いい意味でシブい空間です。

ピカピカに磨き上げられた椅子やテーブルが、訪れる人を気持ちよく歓迎してくれます。

外からは狭そうに見えますが、店内は奥行きがあり、席数35席とけっこう広々しています。ベビーカーを開いたままでテーブルに横付けできました。ソファ席もあります。

トイレは個室が1室のみ。オムツ交換台はありません。

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喫茶室内の様子。

店内は、地元のおばあちゃま・おじいちゃま達でにぎわっていました。子供がちょっと騒いでしまいましたが「可愛いわねぇ〜」とか「大変ね〜」と大らかに受け流してくれました。商店街同様に、喫茶室の中も温かい雰囲気です。

スタッフさんもとても親切で、接客がきめ細やかです。息子(1歳)が、お水をコップから直接飲むのに苦戦していると、ストローをわざわざ短くカットして、持って来てくれました。

名物は「パステル」という焼き菓子。名前だけ聞くと「なんのこっちゃ?」と思ってしまいますが、いわゆる「どら焼きの皮」です。

カステラと並ぶ文明堂の人気商品「三笠山」の皮だけを、香ばしい焼きたてサクサクの状態でいただくことができる夢のようなメニュー。わざわざこれを食べに関内まで行ってしまうウマさです。

サイズはどら焼きよりも大きめで、直径15センチ以上はあるかと思います。小さめのホットケーキを食べるくらいのボリューム感があります。

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パステル2枚とコーヒーのセット(850円)。

パステルは注文の都度、その場で焼き上げて提供されます。オーダーから提供までの時間は約5分でした。

1枚につきソースを1種類、バター、シロップ、生クリームの中から選ぶことができます。オススメは生クリームとシロップのダブル使いです。

生クリームは適度にホイップされており、量もたっぷりです。これをシロップとともに焼きたてのパステルにかけていただきます。観光地からは少し離れていますが、わざわざ足を運んでも食べたくなる逸品です。

お値段はパステル1枚(単品)200円、パステル2枚とコーヒーのセットが850円です。

このほかに、注文を受けてから焼き上げる三笠山(どら焼き)や、こだわりのあんこを使ったあんみつ、もちろんカステラもあります。カステラを使ったプディングも有名です。

気になるメニューは色々あるのですが、結局パステルを頼んじゃうんですよね・・・

「CAFE de la PRESS」(カフェ ドゥラ プレス)〜日本大通り駅直結、歴史的建造物の中にあるカフェ

みなとみらい線日本大通り駅3番出口直結(横浜情報文化センター2階)。

ティータイムの予算1,000円〜1,500円、ランチタイムの予算1,800円程度。

横浜情報文化センター2階にある「CAFE de la PRESS」(カフェ ドゥラ プレス)。横浜情報文化センターは、日本新聞博物館(ニュースパーク)や放送ライブラリー、オフィス、飲食店などが入る複合施設です。

1929年に横浜商工奨励館として建てられた旧館(4階建)に新館(12階建)が加わった建物。

「CAFE de la PRESS」は、ニュースパークのミュージアムカフェという位置付け。同じく横浜情報文化センター内にある老舗レストラン「アルテリーベ」が手掛けています。旧館が建てられたのと同時代のパリの街の「記者達が集まるカフェ」がテーマです。

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CAFE de la PRESS店内。窓側の席が人気。

店内装飾の一部は、建物が建築された当時のものが残されています。天井の梁の曲線的なデザインや、柱のレリーフなどがアール・ヌーヴォー調で、まるでミュシャの絵の世界のような雰囲気。アンティーク家具や、窓から見える銀杏並木も素敵です。

オフィス街にあるため、平日のランチタイムは混雑しますが、休日は比較的ゆったりしていてちょっとした穴場です。店休日が多いので、来店の際は事前に公式ホームページで確認を。

ミュージアムカフェということもあってか、誰でもウエルカムな雰囲気があり、子連れでも入りやすいです。

席によってはベビーカーをテーブルに横付け可能。ソファ席や子供用のハイチェア(ホールドベルト付き)もあります。

カフェは旧館部分にあるものの、新館部分とつながっているので、エレベーターの利用が可能です。同じフロアの多目的トイレにオムツ交換台もあります。

店舗入り口のショーケースに、自家製のケーキやマカロンがキラキラと並ぶ様子は圧巻です。パティシエが手掛ける本格派スイーツで、テイクアウトも可能です。

ランチメニューは日替わりで、私が訪問した日は「豚肩ロースのソテー(1,720円)」「しらすと赤万願寺唐辛子と九条ねぎのからすみのパスタ(1,620円)」「揚げ茄子入りボロネーゼ(1,620円)」でした。

ランチにはサラダ、パン、コーヒーもしくは紅茶が付きます。セットの紅茶は、とても香りの良いアールグレイでした。

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日替わりランチのパスタ。

お店を出てすぐのところには、レトロで堂々とした、映画のワンシーンのような大階段があります。

階段を登った先には、横浜商工奨励館時代の旧貴賓室が再現されており、無料で見学できます。洋室の中に散りばめられた、東洋風の意匠がエキゾチックです。同時代に建てられた、山下公園前のホテルニューグランド本館と雰囲気が似ています。

CAFE de la PRESSがある横浜情報文化センターは、日本大通り駅3番出口直結ですが、駅から地上に出るエレベーターは1番出口(県庁口。交番の前あたり)にあるため、ベビーカーを押して行く場合は地下鉄の出口から200メートルほど歩く必要があります。お急ぎの場合はご注意を。

「馬車道十番館」〜明治時代の西洋館を再現したフレンチレストランの喫茶室

JR・横浜市営地下鉄関内駅から約120メートル、みなとみらい線馬車道駅から約350メートル。予算1,500円〜。

横浜開港の頃に海岸沿いに建てられた、外国商館の建築様式を再現したレストラン「馬車道十番館」。1階部分が喫茶室と洋菓子の販売コーナーになっています。

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馬車道十番館外観。レストランのシンボルのガス灯は、実際に使用されていた本物。

1階の大部分を占める喫茶室は、全50席ほどで、かなり広々としています。私が訪問した時は、ベビーカーを席に横付けできました。

喫茶室に子供用のハイチェアはありませんが、3階のレストランには、子供用のイスやキッズメニューがあるそうです。

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喫茶室は吹き抜けになっており、席数も多く広々としている。

馬車道十番館のビルは、昭和42年(1967年)に明治100年を記念して建てられました。つまり、明治時代の建物ではなく、明治時代の商館を「再現」した建物です。

とはいえ、横浜の明治時代の建築物は1923年の関東大震災でほとんどが失われており、現存する明治時代の西洋建築は同じく馬車道にある神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行本店本館)くらい。

馬車道十番館は開港当時の横浜の姿を今に伝える貴重な存在なのです。お店の前にあるガス灯は実際に使われていた本物。また、大正時代に設けられた、荷馬車のための牛馬飲水槽が残されています。

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文明開化期の横浜の様子。当時の建物はほとんど残っていない(写真は神奈川県立歴史博物館蔵のジオラマ)。

今回喫茶室でオーダーしたのは、タマゴサンド(税別900円)と、馬車道十番館オリジナルブレンドコーヒー(税別680円)。

タマゴサンドにはミニサラダが付いてきます。サンドイッチのパンは、サンドする食材を活かすために作られたオリジナルの食パン。しっとりした食感です。

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タマゴサンド(税別900円)。

卵はオーダーの都度焼き上げる洋風の厚焼き卵。ほんのり塩味が効いた、優しい味の卵焼きです。

タマゴサンドにはからしマヨネーズを使っているとので、今回は息子(1歳)と一緒に食べられるよう、普通のマヨネーズに変更していただきました。

コーヒー1杯680円はなかなかの価格設定ですが、量はたっぷりめで、大きめのコーヒーカップになみなみと注いでくれます。コーヒークリームだけでなく、軽くホイップしたクリームも付いてくるので、ウインナーコーヒーとしても楽しめます。

朝10〜12時はお得なモーニングセットがあります。卵(ココットエッグ)、食パン1枚、ミニサラダ、コーヒーまたは紅茶(おかわり1杯付き)で1,000円(税別)です。もちろんコーヒーのホイップクリームも付いてきます。プラス100円でパンまたは卵を追加可能です。

喫茶室ではこのほかに、お隣の売店で販売されているケーキもオーダー可能。一番人気はショートケーキ(税別700円)だそうです。

馬車道十番館のショートケーキは、少々お高いですが、とってもキュートな丸型で、いちごは2個のっています。サイズも一般的なのショートケーキよりもひと回り大きめなので、700円払っても損はしません。

今回、持ち帰りでショートケーキとモンブラン(税別850円)を購入しました。おみや代で、喫茶室の飲食費と同じくらいかかってしまいましたが、とっても美味しかったです。

馬車道十番館は、横浜港を発着する太平洋航路の客船とつながりが深く、横浜みやげとして人気の看板商品「ビスカウト」は、かつて豪華客船に乗船した日本郵船のOBが馬車道十番館に勤務して客船仕込みのお菓子とサービスを伝え、その誕生に貢献したそうです。

ビスカウトは、喫茶室の隣の売店で購入できます。5枚入りで税別800円です。喫茶室にて、お茶菓子としてオーダーも可能。チョコレート、ピーナッツ、レモンなどのクリームがサンドされたビスケットで、厚みがあるので食べ応え十分です。

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ビスカウト(5枚入り税別800円)

ビスカウトの食感は、ショートニング的な、サクサクぽろぽろした感じです。クッキーとちんすこうの中間のようなイメージ。ものすごく美味しいというわけではありませんが、昔懐かしい感じで、年配の方に喜ばれそうです。可愛い缶入りタイプもありました。

馬車道駅から近い場所にある「日本郵船歴史博物館」には、馬車道十番館から貸し出された「椅子」が展示されています。もとは1900年竣工の貨客船「信濃丸」のサロンで使用されていた椅子です。

信濃丸の廃船時に馬車道十番館に引き取られたうちの1脚で、現在は逆に馬車道十番館から日本郵船に貸し出されているのだそうです。

信濃丸は日露戦争で海軍に徴用され、哨戒中にバルチック艦隊を発見。日本海海戦での勝利に貢献しました。さらに太平洋戦争に徴用された際にも沈没せずに生き残ったという、とんでもなく強運に恵まれた船です。

日本郵船歴史博物館は、馬車道十番館から徒歩10分の場所にあるので、ぜひ幸運の椅子にも会いに行ってみてください。(参考文献:「YUSEN」2001年10月号)

おわりに

いかがでしたでしょうか。横浜に旅行するなら、ショッピングや中華料理も捨てがたいですが、港町ヨコハマならではのレトロモダンな趣のカフェにもぜひ足を運んでみてください。

ここで紹介した3軒のほかにも、古い建物を活かしたカフェや、レトロな雰囲気の飲食店が数多くありますので、今後追記していきたいと思います。

このブログでは、子連れでの旅行や神奈川県内の観光に関する情報を紹介しています。子連れ・赤ちゃん連れでのお出かけの参考に、ぜひごらんください。

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